日英共同制作公演「野兎たち」
2019/12/20
荒涼たる曠野で、「孤独」を生きる野兎たち。病んで、臆病な彼らに「希望」は訪れるか。
日本を代表する劇場のひとつ「可児市文化創造センター(愛称:アーラ)」と英国「リーズ・プレイハウス」が強力なタッグを組んだ共同制作公演。繁栄に隠された人々の孤独やストレスの背景を掘り下げ、「生きるとは何か、幸せとは何か?」を問いかけ、両国が共通して認識している問題に焦点を当てた人間社会の今に迫る作品。
★ビジュアルコンセプト|「生きるとは何か、幸せとは何か?」英国と日本がともに抱えている現代の歪んだ人間性がテーマの「野兎たち」。繁栄の裏側に隠された人々の孤独やストレスや隣人との隔たり、無関心さといった無機質で覆われた現代社会を生きている私たち。都会の雑踏の中でいつもかすかな音を逃さないように、アンテナのようにピンと耳を立て、怯えながら生きています。誰もがまるで、野兎のように….。台本を読み込んだ後、プロジェクトメンバーとのミーティングを重ねながら、ひとつのテーマが持つ本質的なメッセージを共有していきながらビジュアルの方向性を追求し可視化していきました。プロデューサー衛紀生氏の描くイメージは、内側に秘めたとても繊細な人間の表情。擬人化した野兎と現代の繁栄社会の象徴ともいうべき都会、雑多、臆病、無関心、ノイズ、孤独といったキーワードを意識しながら細部にこだわったビジュアル表現でまとめ上げました。
★STORY|可児市・中村家に、ロンドンで暮らす娘・早紀子が、婚約者・ダンとその母・リンダを伴い帰ってくる。母・千代が迎え入れ、しばし流れる、和やかな異文化交流の時間。だが早紀子は様変わりした自室や、娘の帰省を知りつつ不在を決め込む父・勝に不信感を募らせ、「 “違う生き方”を選んだことで、自分は今も両親に罰さられているのだ」と鬱積した想いをダンに吐露する。やがて、早紀子の兄・弘樹の見舞いと称して、彼の同僚が来訪する。名古屋で妻と暮らすはずの兄。次第に、知られざる家族の姿が浮き彫りにされていく。
★作 :ブラッド・バーチ/翻訳:常田景子/演出:マーク・ローゼンブラット + 西川信廣/出演:スーザン・もも子・ヒングリー、小田豊、七瀬なつみ、サイモン・ダーウェン、アイシャ・ベニソン、田中宏樹、永川友里/ムーブメントダイレクション:木村早智/美術:松井るみ/照明:エリオット・グリッグス/音響:マット・パデン/衣裳:西原梨恵/舞台監督:森和貴/宣伝美術:峯岸和男/通訳兼コーディネーター:臼井幹代/制作:澤村潤 、河合さつき、馬場順子/プロダクションマネージャー:村松明彦/プロデューサー:衛紀生
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[東京公演]2020年2月8日(土)~16日(日)/新国立劇場 小劇場
[可児公演]2020年2月22日(土)~29日(土)/可児市文化創造センター 小劇場
[英国リーズ公演]2020年3月12日(土)〜21日(土)/リーズ・プレイハウス(UK)
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